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2014年5月21日水曜日

クラウドが「雲」だから困ること


皆様初めまして、Be.Cloud通信の熊谷です。

会社の外へなかなか出ることのない技術者だった私がクラウドのセールスへと転じてから早数年、企業でクラウドを使うお客様と話しをさせてもらいながら、毎日の商談で日々勉強させてもらっています。
私からはこのセールス活動の中からお客様の話を交えながら、ビジネスで使えるクラウドについての話題を紹介したいと思います。

●「部門が勝手に使っているんですよ」
「ビジネスで使えるクラウドについて紹介」と挨拶したところですが、最初の話題は「クラウドの使い方大丈夫?」という話です。
「クラウド?もう○○の部署で(もしくは△△のシステムで)使っているよ」という声は当たり前のように聞く機会が増えました。ITの新しい技術が入るのが比較的遅いといわれている金融系の企業や自治体でもクラウドの採用は珍しくありませんし、ネットを検索するとインフラ(IaaS)、アプリケーション(SaaS)の種別を問わず多くの事例が出てきます。

あるインフラ部門のお客様の話。これまでは新しいシステムの開発や検証をするとなると開発部門からインフラ部門へサーバなどの調達手続きを行っていたのですが、AWSに代表されるIaaSのパブリッククラウドが広まってきたここ数年は、部門で独自に仮想サーバを調達する光景が増えてきた。
あるときにシステム運用部門がネットワーク監視の結果を見たところ、特定の部門でトラフィックが常時多い状態となっている。調べてみると、特定の開発部門で多くの人がAWS上で開発検証を同時に行っている。でもインフラ部門は自分たちが提供したサーバで作業をしていたわけではないので、その状況を知らなかった。

この話で出てきたのが、「部門が勝手に使っているんですよ」という章題のネガティブな言葉、というわけです。実は企業の大小を問わずこの話は結構あります。


●ユーザ部門が希望するクラウド
クラウドは機能・サービスとしてのメリットにフォーカスされますが、部門採算性を取る企業が増えている組織が抱える課題解決にも有効です。
例えば「スピーディな調達」ができること。AWSを例にとれば、一度アカウント契約をすることで、毎回毎回社内へ調達申請を出さなくても、必要な時に必要なだけ自分で仮想マシンを調達することができます。これは従来社内調達のスピードや手間に課題を抱えていた組織にとっては魅力的な特長です。
またIaaS、SaaSを問わず、クラウドサービス自体が「開発や導入作業を行うことなく、速やかに利用できる」ことがコンセプトにありますので、アプリケーションやインフラについての技術を社内で抱えていなくても、必要な機能をサービスとして短期間に利用できます。
これらのことを自部門で資産を保有する、技術教育期間を行うことなく実現できるのですから、クラウドを利用したいユーザ部門の声はますます大きくなってくるでしょう。

ただしそれを乗り越えるための課題もいくつかございます。
技術的な課題の一つはクラウドを利用するために必要な最低限のポート制限を解除するなど、ネットワークのセキュリティポリシーについての対応。これは事前にシステム運用の部門と調整しながらポート公開の承認を取り付ける話を伺いますが、一度ポート使用の許可を得てから、そのクラウドサービスをどこまで使っているのかを管理している企業は多くないように伺えます。
もう一つは支払いをどのようにするのか?という課題。これも部門でのコスト管理という手前、部門宛の請求書発行やクレジットカードによる支払いの対応を解決しながら利用している話を多く伺います。


●「シャドーIT(Shadow IT)」または「サイロ化」
少し前に日本ではまだ耳慣れない「シャドーIT(Shadow IT)」に関する以下の記事がでていました。

日本企業をひそかに襲う「シャドーIT」の脅威
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1404/18/news037.html

「シャドーIT(Shadow IT)」とは文字の通り「影になり見えないシステム」の存在のこと。記事中ではDropBoxなど「会社で承認されていないシステムを個人で使用している」ということにフォーカスが置かれていますが、実は組織的にこの話を当てはめてみると、前出のお客様のように「システム運用部門もインフラ部門も知らなかった開発部門のAWSの使用」は同じリスク構造をもっています。
これは縦割りの組織が故に企業全体が横展開できない体質になり情報共有ができなくなる「サイロ化」に近づくことを意味します。クラウドはサービスとして、正に「雲」のように柔軟な形態で提供されながら、実はそれは組織を硬直化するためのツールでもある。不思議な話ではありますが、既に現場ではこのような意識を感じられる事例が増えています。

これら組織のガバナンスに関わる話題は今後の企業へのクラウド展開において大きな課題として議論し続けることとなると思います。それらの対応の取り組みについては、また次回にでも。

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