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2014年7月4日金曜日

すぐ使える「クラウド」の意味
 ~停滞していたビジネスを広げるために~

新しいPCをそろそろ買おうかと思い、ネットで最新機種を検索している熊谷です。

個人用端末としてはタブレットの台頭でモバイル端末の選択が豊富になりましたが、個人的にはデスクトップ機からまだまだ離れられない状況です。思えば社会人になる前までは、パーツショップで購入したマザーボードやメモリで組み立てた自作PCでネットがつながったことに喜んだりしていたものでしたが。

さて、今日はこの組み立てにまつわるクラウドの話です。

■「ロードバランサ」っていくら?
 AWSMicrosoft Azureのようなパブリッククラウドを使いWebサイトを構築する事例はたくさん公開されています。

実は私はクラウドビジネスに関わるまでWebサイトの構築をしたことがありませんでしたので、どんなシステム構成のために何を用意するべきかのノウハウがありませんでした。クラウドの提案をきっかけにネット上で公開されているパブリッククラウドの構成パターンを参考にするようになってから、「あ、DNSが必要で、ロードバランサが必要で、冗長構成ができて・・」と理解を深めるようになりました。

ところでこの「ロードバランサ」っていくらぐらいするものかご存知ですか?
私はパーツの価格は知っていてもこのような専用機器を購入するケースはありませんので価格感がわからなかったのですが、参考までにパブリッククラウド各社のロードバランサの金額はこのようなものです。(いずれも税抜)

Amazon Web Service ELBElastic Load Balancing):東京リージョンで0.027ドル(=1ヶ月で約2,200円)・
NTT クラウド・エヌ(Load Balancing AdvancedLBA)):基本料金(振り分け先の仮想サーバー3台まで)月額 1,500

クラウドならばこのように月額2千円程度。ならばハード買ってもこんなものかと思いきや、データセンターでの勤務経験がある同僚曰く、
「データセンターで使うエンタープライズ用ロードバランサって普通に500万円とか1,000万以上、安いものだって100万円以上はするものですよ」

・・・あ、そんなに違うものなんですか。技術的にはロードバランサはオープンソースを使いソフトウェアとして実現させることも可能ではありますが、商用サービスを提供する場合は機器設置で実現させている方が圧倒的に多い。L2スイッチやルータのような形状ですが、価格的にはその10倍もするとは全く知りませんでした。

■「ハード調達」に縛られて伸びないビジネス
 話は変わってWebサイトのクラウド移行提案に関わった時の話。あるデータセンターにもともと社内システムの委託をしていた関係から、個別の事業ごとにいくつかのWebサーバも一緒にそのデータセンター内にインフラを用意して構築済み。

長らくそのまま動かしていたサーバをハードの保守切れに合わせて移行を検討するということでヒアリングさせてもらったところ、「1台のマシンにWebDBも同居。実はバックアップも同じマシン内。冗長構成や負荷分散させるには機器が用意できなくて・・」という内容。要は「このWebサービスに対してかけられるコストは、サーバ1台分の範囲」という状況でした。

このように企業が運営するWebサイトにはデータセンターのインフラの上で動いているものが沢山あります。Web専用のホスティングプランを用意している事業者ならば何らかのオプションサービスがあるかもしれませんが、基本は「構成マシンの台数」と「必要な機器」をどのように組み合わせるか、という考え方ですので、上記のように「初期投資した1台のマシンの上でできること」がこのWebサービスを行うための制限となります。

実はこの提案は、この背景があるが故にお客様においてその後の話がなかなか進まず苦労することとなります。というのも、「クラウドならば冗長化も負荷分散もバックアップも、できなかったことができるようになります」という話をしても、「ハード1台で今まで行ってきたこと」という前例が考え方のベースとなり、単なるコスト比較に陥ってしまう。特にこれまで大きなトラブルに面していなかったとなると、「今までどおりでも良いのでは?」ということでそのサービスの将来性を考えずに停滞してしまう。

しかしここで止まった場合、そのWebサービスは確実に、「マシン1台」以上のビジネスには成長できません。

■「すぐ使える」ことの恩恵
 クラウドコンピューティングの浸透とともに、ロードバランサに触れた私からすると、「ロードバランサは必要になったらすぐ使えるもの」という感覚です。機器調達に苦労した経験をしている方からすると「なんと有り難味のない・・」という感覚かもしれませんが、ロードバランサがあることを当たり前のように話をすると、「もともとそういうのは欲しかった」と共感される話にもなります。

初期コストが大きすぎて最初からあきらめていたWebサービスがあるならば、頭で描いた通りのことをすぐに試して、ダメなら止められるという柔軟なインフラは、そのWebサービスの可能性が広がります。クラウドコンピューティングはサービスとインフラとのリンクの点で、従来のデータセンターのサービスとは大きな差があります。

インフラありきの思考が、結果的にビジネスの思考自体を停止していた。そんなものがないか今一度見直してみませんか?

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