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2014年8月22日金曜日

「クラウドとコストの話」~SAPなど基幹システムも向かうクラウド・ファーストの世界~

最近は本当にネット通販でしか物を買わなくなってしまった熊谷です。

中国製のボディバックを1月に買いましたが、8月になって肩ベルトのカンの部分(ベルトとバッグの付け根)の部分が破れてしまいました。といっても先月までは全く問題なくて、何度か子供とサッカーで遊び続けた時に背負っていたらビリビリっときてしまった模様です。結構デザインがお気に入りで、何より非常にお手頃な価格だったのですが、スポーツをするのに耐えられるような強度はなかったようです。今日はこの価格に纏わるクラウドの話です。

★クラウドは別に安くない
はっきり言えばIaaSは物理サーバ購入と比べて安いとは言えません。例えば各種クラウドサービスで通常業務で使用するIAサーバと同等のスペックのサーバを選ぼうとすると、5年間で以下の金額が必要となります。いずれもLinux仮想マシンで計算した場合)

Amazon Web ServiceAWS
ミディアムインスタンス(m3.Medium)(1vCPU、メモリ3.75GB相当)
1時間あたり0.101ドル
1ヶ月約8,000
5年間で48万円
(※1ドル100円による計算)
IIJ GIO Vシリーズ V30LC (2vCPU、メモリ3GB相当)
1ヶ月15,000
5年間で90万円
IDC フロンティア Mシリーズ (2vCPU、メモリ4GB相当)
1ヶ月13,817
5年間で約83万円

クラウドの価格が落ちたと言われていますが、実はハードウェアメーカのコストも同様に価格が下落しています。同スペックのハードをメーカーからのサポートを受けて購入しても、5年で40万円程度というケースが多いです。経費か資産かの観点もありますが、机上で計算するならば社内で動いている物理サーバをクラウドにしてもコストメリットが確実に出るわけではありません。ただしそれは「クラウドでこれまで通りのシステムを作る」という前提があります。

★何故パブリッククラウドでSAPなのか?
話が変わりますが、ERPの代表格ともいえるSAPAWSなどのクラウド上で利用する事例が国内外において報告されています。一般に基幹系システムをクラウドで稼働するにはまだ次期尚早であると考えられています。そもそもクラウド上でSAP利用するメリットはどこにあるのでしょうか?コスト面に注視した場合、実はSAPのライセンス体系を知らなくても、クラウドを採用するだけで以下の視点でメリットを得られることがわかります。

① 待機系サイトの準備
冗長構成を組む場合、ActiveActiveであれば2台のマシンを常にONにする必要がありますが、Active-Standbyで良い場合ならば、Standbyの電源を通常offすることで、使用料金を削減することができます。

DRサイト構築異なるロケーションにDR目的で同環境を用意する場合、これまでは遠く離れたデータセンターを借りてわざわざ同じ仕組みを構築する必要がありました。DCのロケーションを選べるクラウドではシステムをコピーして速やかに構築可能ですし、待機時には電源をoffにすることで、やはり使用料金を削減できます。

③ 検証環境の用意
本番システムにおけるパフォーマンス劣化などが指摘される場合、ベンチマークを取り直すなどの目的で検証環境が必要となりますが、わざわざ検証環境を構築しなくても、必要な時にシステムをコピーして用意できます。

稼働停止しても業務影響が少ないシステムであれば1台のマシンの上で正常に稼働していればさしたる問題となりませんが、基幹系システムの場合、重要度が高いがゆえに「待機系は、DRは、検証機は、、」と周辺環境の整備が気になるところです。従来のオンプレで構築しているシステムの場合、このコストが掛けられなければ必要最低限の構成で稼働させながらヒヤヒヤしているというケースも見られます。

「本来必要なもの」がありながら、これまでコストの問題であきらめていた。しかしクラウドならばこの「本来必要なもの」を調達するのが当たり前にできるようになる。このように考えると、SAP稼働に必要なインフラを「最適」な形で調達できるクラウドを採用する方が良いと思いませんか?

★「クラウド・ファースト」で最適を見つける
クラウドは「今まで通りの使い方」に囚われているとメリットがあるように見えませんが、上記のような考え方の転換を伴うと「クラウドの方が良い」もしくは「コスト感抜きにしてもクラウドで無いとダメ」という見方にもなります。最近よく言われる「クラウド・ファースト」とはこのパラダイム・チェンジを指します。

クラウドを採用するシステムはEコマースで利用されるWebサーバなどリソースのピークがはっきりしているシステムや、処理分散が必要なシステムにおいて多く採用されています。しかし社内システムにおいても使う場所と目的を考えると、「こんなことができるのか!」という結果に結びつく話がいろいろあります。長らくオンプレで動いているシステムほど、この考えを変えるのが難しいものですが、一気に変えることで単なるコストのみならず、システム開発・運用の考え方そのものも変えるほどのインパクトもあります。

それでもコストが、という方は、以下を考慮すると単純にクラウドサービスを採用するだけでコスト安になるケースもありますので、比較してみると良いでしょう。

AWSのリザーブドインスタンス、IDCフロンティアの月額契約など、期間契約や予約金による長期利用を優遇するケースでは、利用方法によりサーバ購入より安くなるケースもあります。
・ストレージのみで見れば、AWSMicrosoft Azure1GBあたり月額4円程度、1TBでも月額4,000円弱の世界です。単純な預け先を探すのであれば、ストレージは既にコストメリットが十分でていると見られます。

ちなみに最初の話題に戻しますと、私の壊れたボディバックは交換や修理を考えずに、とっととネット通販で新しいものを模索し始めています。資産ではなく消耗品の一部となったことで、使い方を考えた利用方法を意識しますし、失敗すれば代替品を検討することに躊躇しません。皆さんもネット通販や100円ショップなどの存在でものの買い方、使い方が変わっているのではないでしょうか?

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