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2015年2月19日木曜日

産消逆転現象

Be.Cloud通信戌亥です。

ここ何回かは「コンピュータによる自動化」の話をしてきましたが、一回休みとさせていただきます。(自動化の話はまだまだ続きますのでしばらくお付き合いを)

今日は少しマクロな話をさせてください。

「産消逆転現象」という言葉を知っていますか?私はこの言葉をソニックガーデンの倉貫さんから教えてもらいました。IT業界は1980年代までは、企業が持つITが先行をしていて、消費者向けITは遅れていました。それが、ある事を境に逆転したということです。

今の若い方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、IBMの汎用機やデジタルイクイップメント(DEC)のミッドサイズコンピュータは大手企業しか持てませんでした。高級でありかつ運用するにはある程度の費用とノウハウが必要だからです。しかし、Microsoftのビルゲイツとアップルのジョブズがそのコンピュータをパーソナル(個人)にも使えるようにするといってPCを作りはじました。

今から考えてみればこのころから、「産消逆転現象」の序章が始まっていたんですね。これは、1980年代初頭のことです。私がちょうど大学の研究室で初めてコンピュータに触れた頃です。

大学では、IBMの大型コンピュータを使って、ある科学技術の計算をさせていました。研究室にはMULTI16(三菱電機の16ビットPC)やZ80を積んだシャープ製のPCがありましたが、ある日そこに、NECの98が入ってきたんです。ある大学院生が、IBM汎用機のFortranという言語で計算させていたものを、NEC98のMS-DOS Basicに移植しました。もちろん大型コンピュータで一瞬で終わる仕事が98だと何時間もかかるわけですが、一応結果は出していました。

先ほど「ある事を境に」産消が逆転したと述べましたが、その「ある事」とは皆さんご存知のインターネットですね。「ファーストペンギン」でも書きましたが、インターネットという存在はいろんなところに影響を与えています。

90年初頭から半ばにかけて、インターネットが商用化されて、個人でもメールやワールドワイドウェブを利用するようになりました。しかし企業での利用はなかなか進みませんでした。家庭ではメールを使って様々な人とコミュニケーションをとっているのに、企業では相変わらず、ファックスやテレックスでやり取りをしていました。

92年から、私は海外のベンダーと頻繁にやり取りをしていました。日本のお客様で、トラブルが起きた場合に、テレックスや電話で問い合わせをします。そして修正されたソフトウェアはFedExでやって来るわけです。ついにしびれを切らせた海外のベンダーが、「稔、インターネットを引いてくれないか?」と言ってきました。その頃、日本には2つの商用プロバイダしか有りませんでしたが、私は調査をしてインターネットを引く提案を社長にしました。その時は高額を理由に承認がおりませんでした。その1年後です。プロバイダは50社に膨れました。このころ個人向けの商用プロバイダがタケノコのように増えてきたのです。

しかし、それでも企業の活用はなかなか進みませんでしたが、消費者の中ではインターネットが普及してきました。因みに当社は、私が提案した1年後つまり、プロバイダ50社時代にもう一度検討して、承認をもらうことが出来ましたので、導入が早かった方です。

そして、消費者を中心に発達したインターネットがWindows98を作ったわけですね。個人でメールをしている人たちが、会社でも使いたい。コミュニケーションが膨らみ会社でも導入すべきだ。と言って、企業内で導入が始まったわけです。その後、ブラウザ、スマートフォンなどなど、個人から始まり企業が導入するというテクノロジーが増えてきたのです。

当社が開発したinfoScoopも産消逆転で生まれました。開発を始める当時、iGoogleという、消費者向けのポータルサービスがあったので、ある会社の部長に、このような物が社内で利用出来たらどうですか?と話したところ、「やりましょう」となったのです。そのある会社と言うのが、UFJ銀行(現三菱東京UFJ銀行)の子会社のUFJIS(現MUIT)でした。UFJ銀行と言えば、金融機関で最初にLinuxを採用した先進的な企業です。こういう先進的な企業から産消逆転のIT技術が導入されていくんですよね。

さて、これからの企業ITのトレンドを見るためにも、消費者向けのITがどういうトレンドとなっているのか?を見ていってはどうでしょうか?3年後の未来を予測できるかもしれません。




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