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2015年9月16日水曜日

ガリレオ・ガリレイとビッグデータ分析

 Be.Cloud通信戌亥です。すっかりと秋らしくなってきました。秋といえば月見ですかね。今日はその月に関係のある話をしてみましょう。

 日本人にとって月といえば竹取物語ですね。竹取物語は10世紀の半ばにはすでに出来上がっていたのではと言われているようですが、その頃の人々には月や太陽、 夜空に輝く星々は神秘的な存在だったんでしょうね。人類は長く天動説を信じており、ガリレオが「それでも地球は動いてる」といったと言われているのが、17世紀ですので、かぐや姫もよもや地球が太陽の周りを回っているとは知らなかったことでしょう。

 Wikipediaによると、天動説を体系化して説明をしたのは、プトレマイオスとされています。今世紀初頭のことです。コペルニクスが地動説を唱えたのが16世紀ですので、その間1500年にも渡って誤った解釈をしてたわけです。コペルニクス的転回と呼ばれるはずです。

Wikipedia プトレマイオスより(2015.9.16現在)
 主著『アルマゲスト』で、地球が宇宙の中心にあり、太陽やその他の惑星が地球の周りを回るという天動説を唱えた。ただし、天動説などはプトレマイオスが初めて唱えたわけではなく、『アルマゲスト』の内容は、アリストテレスやヒッパルコスなど、それ以前の古代ギリシアの天文学の集大成である。幾何学におけるエウクレイデスの『原論』のように、『アルマゲスト』はそれまでの天文学を数学的に体系付け、実用的な計算法を整理したことで、何世紀もの間天文学の標準的な教科書としての地位を得た。この中で、当時火星などの惑星で見られた逆行を星が「周転円」という小さな円を描きながら地球の周りを回転することによって起こると説明し、これによって天動説の地位を守った。天体観測の方法や天体の軌道計算、太陽までの距離やその大きさといったあらゆる知識をひとつにまとめたことが天文学におけるプトレマイオスの業績である。

 天動説を中心とした、理論はプトレマイオス後も、恒星の動きを説明するために様々な説明が加えられて、長く地動説を抑えて、天体の動きを説明する理論として君臨してきたそうです。結果的にプトレマイオスの理論は1500年もの間、地動説を上回り支持されてきたのですが、現在人からすると奇妙なことなのかもしれません。しかし、こういうことはよくあることだと思います。

 このことに関しては2点の問題を示唆していると私は思います。1点目はデータの精度と量です。プトレマイオスは数学的に、天動説が正しいことを証明しているのですが、当時は地動説の主張よりも、ずっと説得力のある計算を行っていたとされています。例えば、「石を上に投げて、毎回同じ場所に戻ってくるのは、どうしてか?地球が動いているのであれば、別の場所に落ちるはずだ!」という質問に対して地動説の主張は説得力のある説明ができませんでした。もちろん天動説の方も完璧ではありません。天体の観測には現在のように望遠鏡を使用していませんでした。観測の対象も「太陽,月,惑星,彗星のほか,6等星以上の恒星に限られていた」とされています。しかし、その範囲での説明であれば、地動説を上回っていたのでしょう。実際に望遠鏡を天体観測に利用し始めたのはガリレオ・ガリレイがはじまりで、ガリレオの天体観測ののちに、ニュートンの万有引力などを経て、地動説が天動説に取って代わります。(これによって、石が同じ場所に戻ってくるという説明がついたのでしょう)つまりその間、地動説を説明するにはデータの精度と量(種類も含めて)が不足をしていたことになります。天動説は先にルールありきで、そのルールに基づいた説明により、様々な予測をもららすということでは、以前に説明した演繹法的な考え方ですが、演繹法はルールがまちがっていると、そのルールに従った計算はすべて間違っているのにもかかわらず、元になるルールを入れ替えない限り、永遠(この場合1500年)に間違い続けることになります。そして、それを覆すには精度の高い大量のデータがないと、覆ることはないということです。

 もう1点は天動説の宗教的な背景です。キリスト教的世界観の中では、占星術のもとになる天動説は大変重要だったわけです。人の意思決定プロセスには時に、思いだとか、願いだとか、思い込みとかの非科学的な側面が入り込む余地があるということです。例えば、販売プロセスと売り上げとの相関関係や因果関係を十分に分析せずに結論をだす営業部長もおられると思いますが、経験とか思いなどが入っている為、時には若い人には理解できないこともあります。「営業はゴルフ場でやるものだ!」、なんてそんな単純なものは今ではあり得ませんよね。本当にゴルフと売上に相関関係があるかどうかをデータで分析をした営業部長はおられないと思います。「◯△×の案件は、俺がゴルフで決めたんだ!」確かにそういう案件もあると思いますが、それだけで判断するのは早いとプロレマイオスが教えてくれています。営業プロセスと売り上げの相関関係は様々な種類のデータをベースに分析すべきであると思います。

 最近よく、コンピュータにより人間が支配されるかのように言われるケースがありますが、私は逆に、コンピュータでしか出せない客観的なデータ分析をすることで、人間が陥る過ちを修正してくれるのではと考えています。複雑な人間界のルールはそう簡単にはコンピュータで導き出すことはできませんが、相関関係があるかないかなど、人間が意思決定する為の情報は、ビッグデータ分析によって導き出すことはできるのです。

 ガリレオは、人間が陥りやす過ちは、1)できるだけ正確なデータを、2)できるだけ多く集めて、3)コンピュータで思い込みや願いなどは排除した上で、ビッグデータ分析すれば解決できると教えてくれているのではないでしょうか。

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