Pages

2016年4月7日木曜日

Disrupt, or be disrupted(破壊するか、さもなければ破壊されるか)

Be.Cloud通信戌亥です。久しぶりのブログになります。

クレイトンクリステンセンがイノベーターのジレンマを出版して約20年。これほど、「破壊的なイノベーション(Disrupted Innovation)」という言葉が使われるようなったことは無いのではと思います。
15年ほど前に、この本に取り憑かれて、いろんな技術者と議論したことを記憶しています。私の説明が悪いのか、ほとんどの人の反応は、「その理論はおかしい」的なものでした。
クリステンセンはイノベーションには2つのイノベーションがあると説いています。持続的なイノベーションと破壊的なイノベーションです。英語では"Sustaining Innovation"と"Disrupive Innovation"と呼ばれます。持続的なイノベーションはムーアの法則のようにテクノロジーによって飛躍的に進化をしていくものですが、市場破壊は起きません。今も、パソコンやサーバーのCPUには、ほとんとインテルのCPUが使われています。しかし、インテルは今苦しんでいますよね。それが、破壊的なイノベーションにあるのです。

ARMプロセッサはスマホではメジャーになってしまいました。インテルの入る余地は既になくなってしまっています。ARMプロセッサはインテルのプロセッサに比べて、省電力です。毎日持ち歩いて使っていて1番困るのは、バッテリーが消費することですよね。CPU自体の性能はインテルの方が良くても、スマホにはARMの方が向いているんです。スマホにとれば、処理能力という価値よりも、バッテリーが長持ちするという価値の方が高いわけです。
しかし、そんなことは最初からわかっていたはずですが、現在あるものよりも性能が下がるものを採用するのは勇気がいるものです。市場が無いわけですから、その市場の無いところにものを出すのは勇気が必要です。勇気を出して、その技術を採用して成功したものは、次に既存の製品市場を破壊するようになるわけです。インテルCPUの入ったサーバがARMに置き換わるかもしれません。何故なら今や大量のクラウド上で使っているサーバは電力を大量に消費すると、社会問題になっていますから。つまり、これが市場破壊になるということで、"Disruptive Innovation"と呼ばれているのです。ムーアの法則を作り出した優良企業インテルが苦しんでいるのは、今ではなくその将来にあります。将来を見てどうなるの?というのが苦しんでいる理由です。

おりしも、ムーアの法則が成り立たなくなったというニュースが流れました。


何故このニュースが重要かというと、ムーアの法則で持続的なイノベーション果たしてきたインテルにそれがなくなれば、「性能」という優位性がなくなり、顧客が選択しなくなる可能性があるからです。

いや、今日はこのことを書きたかったわけではありません。今起きている破壊はこのレベルとは違うということを書きたかったのです。それはエコシステム全体を破壊するものであるため、もっと多くの企業が影響する破壊が起きる可能性があります。
"Disrupted, or be disrupted"(破壊するか、さも無ければ破壊されるか)が今日のテーマです。

先ほどの事例では、企業同士の競争でした。現在、騒がれている破壊的なイノベーションは業界自体に影響を及ぼします。

顕著なのが、Googleの自動運転車です。GoogleはAIの技術を使って運転手の必要無い車を作って、自動車業界全体に影響を与えようとしています。そのコンセプトが大変重要です。

以下記事では、Googleは完全な自動運転車を目指しています。


「同社の共同創業者、セルゲイ・ブリン氏。自社の巨大な駐車場に並ぶ多数の車が、長時間駐車していることに気がついた時だった。完全自動運転車ならば、普段は駐車している時間帯に免許を持たない人らにも貸すことが可能で、1台の車を飛躍的に有効活用できるようになる」

この発想で自動運転車を商品化し、車の稼働率を70%にまで上げると、車は15%で済むそうです。もちろん、車を単なる移動手段と考えている人だけでは無いので、計算通りにはならないでしょうが、かなり下がると思います。

この仕組みは、現在の自動車メーカーに影響を及ぼすだけではありません。運転手がいないわけですから、損害保険にも影響をします。また、免許証がいらなくなると、免許証センターや自動車学校にも影響します。駅前の駐車場はどうでしょうか?駅まで車に乗ってきても、勝手に家に戻って駐車してくれると、駐車場は必要無いですよね。そもそも、セルゲイ・ブリンはそれを目的にしているわけですから。自動運転車で駅まで行けるとなると、バスで通っている人には朗報です。すると今度は、バス会社はどうなるのでしょう。住宅メーカー、特に駅前のマンションを販売している企業は、通勤の問題がなくなると「駅近」とは言えなくなりますね。駅から遠いけど、大きな庭がある家の方が売れるかもしれません。高齢者の方は、病院や買い物に行く時にタクシーを使うと思いますが、タクシーも自動運転車に変わるかもしれません。タクシー業界はUberの脅威に戦々兢々としているかもしれませんが、それどころでは無いです。もしも、自動運転車になると、運転する側が圧倒的に増えますので、今のビジネスモデルは破壊されます。逆に、タクシー会社が自動運転車を採用すればどうでしょうか?Uberはどちらかというと高級タクシーのイメージがありますので、目的地まで安く行ける、自動運転タクシーをチャレンジしてみてはどうでしょうか?もちろん、ただ、今のビジネスをおきかれるだけでは、競合が出てきてしまいますので、新しい何かを付加する必要があります。

これらが、"Disrupt, or be disrupted"(破壊するか、さもなければ破壊されるか)と言われる所以です。もちろん、1、2年で起きることでは無いでしょう。しかし、10年のスパンで考えると十分おきます。クリステンセンのDisruptive Innovationよりは、もっと派手に、より早く、より大きく破壊することだけは言えるでしょう。

米国にはシンギュラリティユニバーシティというのがあります。ここでは毎日このような議論がされています。

ユニリタはお客様のデジタルビジネスを支えます。そのヒントをコラム(「デジタルトランスフォーメーションに必要な技術とは」)にしてみましたので、ご覧いただければと思います。


0 コメント:

コメントを投稿